『21世紀東アジア社会学』第12号

、『21世紀東アジア社会学』第12号がJ-stage上で公開されました。
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/easoc/list/-char/ja

『21世紀東アジア社会学』2022 – 2023,12 号  目次
包 嶺小 , 東部内モンゴル地域における日本の畜産資源調査
烏 英嘎, 内モンゴル東部農村地域における結婚難問題に関する事例研究
磯部 美里 , 中国の民族と医療
賀 玉辰 , 中国北方民间信仰、祖先祭祀和父系亲缘文化的构筑与再构筑
新井 凜子, A Comparative Study of the Nation-building and the National Language Education in Xinjiang and Okinawa
翁 康健, 清水 香基, 伍 嘉誠, 中国少数民族と漢族の間における格差
美麗 和子, 建国初期における中国共産党の雲南少数民族地域調査報告
高橋 孝治 , 中国における地方性法規上の少数民族の権利保護規定の検討
左 雯敏 , 多元与一体:费孝通的民族研究及最近的研究动态

『日中社会学研究』 第30号の公刊

『日中社会学研究』 第30号が公刊されました。
現在、順次発送中です。会費納入済でありながら、今月末頃までにまだ未入手の方がいらっしゃいましたら、お手数ですが下記、事務局までお問い合わせくださいませ。

『日中社会学研究』 第30号 2023年2月                         

【第30号特別寄稿】
『日中社会学研究』30年の回顧と未来への展望  
―日中社会学会会長就任の挨拶に代えて―          西原和久  
日中社会学研究30号によせて
―学会成立から創刊まで―                 根橋正一                 
日中社会学会と共に歩んだ40年                陳 立行           
【特集論文】歴史と社会学
特集「歴史と社会学」に寄せて                穐山 新  
現地調査は難しい、しかし史料の中には過去の現地が無限にある
─貴州・雲南・四川境界地域の近代史研究を例として─     吉開 将人 
「満洲国」における農村協同組合事業
─比較歴史社会学的考察─                  穐山 新  
オートエスノグラフィの実践と中国帰国者のアイデンティティの問い
―個人史研究の可能性をめぐって―          南 誠(梁雪江)  

【論文】
社会科学復興期中国におけるウェーバーをめぐる言説
―雑誌『読書』に見られた受容史の諸側面―         吉 琛佳  
中国人の一般市民の政治的イデオロギーについての考察
―ネット調査に基づくRCA分析を中心に―          李 潤楚
現代中国社会における参加型文化の新たな動き
―オンライン・ファンコミュニティの文化実践を題材に―   魏 珂楠  
現地採用者から起業家へ
―上海の日本人コミュニティとの関わりから―        松谷 実のり
少子高齢化時代における中国人のケア責任意識とその規定要因
―複合的ケア経験者に着目して―              胡 益頔  
現代台湾社会における母語の復興と継承
─教会ローマ字による「台語文運動」を中心に─       齋藤 幸世

【研究ノート】
戦後日本社会における引揚者の犠牲物語の形成
―在外財産補償問題を中心にー               劉 罡   
市場経済期上海における産後ケア
―家政サービスと「月嫂」の出現に注目して―        齋藤 あおい

【書評】
櫻井義秀編著『アジアの公共宗教-ポスト社会主義国家の政教関係』
(北海道大学出版会、2020年)                木下 光弘
木下光弘著『中国の少数民族政策とポスト文化大革命』(明石書店、2021年)
                     美麗 和子
閻美芳著『日本と中国の村落秩序の研究-生活論からみた「村の公」』(御茶ノ水書房、2021年)                   
南 裕子
大谷順子編『四川大地震から学ぶ―復興のなかのコミュニティと「中国式レジリエンス」の構築』(九州大学出版会、2021年)
                  宮本 匠
劉麗鳳著『中学中退―中国農村中学校の生徒と教師のエスノグラフィ』(世織書房、2022年)教育格差から考える中国社会の光と影     
于 小薇
郝洪芳著『東アジアの紹介型国際結婚―グローバルな家族と越境する親密性』 (明石書店、2021年)
             孟 令斉

日中社会学会 第35回 年次大会のご案内

【日中社会学会 第35回 年次大会のご案内】

日中社会学会 第35回 大会を下記の通り開催いたします。つきましては、下記の通り自由報告を募集いたします。

開催日: 2023年6月3日(土)、4日(日)
開催校 名古屋大学(大会開催校責任者:坂部晶子理事)
開催方法 シンポジウムはハイフレックス(対面と遠隔の併用)開催

     自由報告は対面報告に限定

・自由報告エントリーの受付期間:
   2023年3月13日(月) ~ 3月31日(金)

エントリーは、こちらのページからお願いします。

保護中: 日中社会学会 第35回 年次大会のご案内

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『日中社会学研究』投稿募集案内

『日中社会学研究』第31号への投稿を募集します。以下の各項目を熟読の上、エントリーと投稿を行ってください。

1.エントリーについて
投稿を希望される方は、エントリー期間内(2023年1月15~25日17時)にエントリーをお願いします。下記の情報を会員MLで案内した際にお知らせした連絡先(編集担当理事)まで、お送りください。エントリー期間にのみ受付し、確認のメールを返信いたします。
(1)お名前とご所属
(2)投稿ジャンル(論文、レビュー論文、研究ノート)
(3)原稿のタイトル
(4)概要(400字程度)とキーワード(3つ程度)
(5)ご連絡先(電子メール、郵便物の郵送先、電話番号)

2.原稿の送付について
原稿の締め切りは、2023年2月28日となります。必ず当学会の「投稿規程と執筆要領」(2022年12月改正)を守り、「執筆テンプレート」を使って原稿を執筆してください。
原稿が提出された後、投稿された論文は、編集委員会での審議・承認を経て、投稿者に受付の可否を通知いたします。受付の可否を判断する基準は以下となります。
(1)原稿の体裁は字数制限も含めて、投稿規定と執筆要領に厳密に従っているか。
(2)日本語の文章として、学術的なネイティブチェックを受けているように見受けられるかどうか。
投稿規定と執筆要領に沿わないもの、日本語の文章として難があるものは、投稿が受け付けられない場合があるので、注意してください。

3.原稿の査読について
 投稿は2名の査読者によってピアレビューを行います。第1次査読を通過した投稿者は、第1次査読における査読者のコメントに基づき、原稿を修正し、第2次査読に進むことになります。第2次査読を通過した投稿者は、査読者からのコメントを参考にさらに修正を行い、最終稿を提出することになります。ただし、第3次査読が必要になることもあり、その場合は、第3次査読を通過し、その際のコメントを踏まえて最終稿を提出することになります。
 なお、査読過程において、2名の査読者の間で判定が異なる場合は、編集委員会で審議し、判断します。その際に、第3の査読者を立てる場合もあります。
掲載が決定された投稿の最終稿の提出を受けて、掲載決定通知を出します。およそ9月ごろになると考えられます。なお、雑誌は2023年度内に刊行されます。

以上です。エントリーをお待ちしております。

『日中社会学研究』執筆用テンプレート(Microsoft Word)

論文・研究ノートのテンプレートはこちらです。

書評のテンプレートはこちらです。

『日中社会学研究』投稿規程(2022年12月改訂版)

『日中社会学研究』投稿規程と執筆要領
(2022 年 12 月改訂版)
pdfはこちらです。

【投稿規程】
1.投稿が可能なのは、日中社会学会会員(以下、会員という)または『日中社会学研究』(以下、本誌という)編集委員会が依頼した者とする。会員の場合、投稿する当該年度までの学会費が納入済みであることを条件とする。
2.本誌への投稿原稿は、論文・研究ノート・書評とする。ただし、論文の投稿に関して、審査結果を踏まえて、編集委員会が研究ノートとしての掲載を決めることがある。また、編集委員会の依頼と決定により上記以外のジャンルで原稿を掲載することがある。
3.投稿原稿は日本語とし、未発表のものに限る。ただし、学会・研究会等で口頭発表したものについてはこの限りではない。
4.1人で投稿可能なのは1編のみとする。ただし、編集委員会による依頼原稿はこの限りではない。
5.共著論文の場合は、注で分担を明記する。
【執筆要領】
1.原稿は、原則として MS-Word による横書きとし、所定の「執筆テンプレート」に沿って、下記の順序に従って作成する。
(1)論文、研究ノートの場合
日本語題目、英語題目、中国語題目、執筆者名(右揃え)、(一行空けて)英語要約または中国語要約、日本語キーワード、英語キーワードまたは中国語キーワード、(二行空けて)本文、(二行空けて)注、(二行空けて)参考文献リスト、(一行空けて)執筆者ローマ字名/所属。
(2)書評の場合
書評は、著者名と書籍名を題目とし、執筆者名(執筆者ローマ字名)、本文、注、参考文献リスト。
2.所定のテンプレートではすでに設定済みだが、文章のレイアウト設定は、上と下の余白は 25 ㎜、左と右の余白は 20 ㎜に設定し、タイトルからキーワードまでは 1 段組(50字×40 行)とし、一行空けて、本文からは二段組、24 字×45 行で設定すること。なお、一段組からに二段組への設定の変更は、「レイアウト→区切り→セッションの区切り」
によって可能となる。
3.論文、研究ノートの分量は、すべて込みで 11 枚以内(およその目安は 2 万字以内)とする。そのうち、中国語または英語要約は 300 語以内とする。書評はすべて込みで3 枚程度(およそ 5000 字程度)とする。
4.本文の節・項の見出しは全角(ただし、二桁の場合は半角)で、次のとおりとする。
1. 2. 3. …. 「節」に相当
(1) (2) (3) …. 「項」に相当
1) 2) 3) …. 「項の中の小項目」に相当
5.各章の間には、1行の空白を置く。
6.本文への補注は、本文箇所の右肩に半角で、1, 2, 3, … の記号をつけ、本文末の文献リストの前に一括して掲載する。
7.本文の句読点は全角の「。」と全角の「、」とし、数字は半角の算用数字「1, 2, 3, … 」
を原則とする。
8.本文のフォントとフォントサイズは、題目は MS ゴシック体 12 ポイントで太字、節のタイトルは MS ゴシック体 12 ポイント(2 行にわたる場合は行間を固定値 18 ポイント程度に調整し、行間が広がりすぎないようにしてください)、項や小項目のタイトルはMSゴシック体で 11 ポイント、それ以外の本文部分はすべて MS 明朝体(ただし欧文は Century)で 10.5 ポイント、全角文字を原則とする。
9.参照先は、文中で下記のように記載する。
本文の該当箇所に( )を付して、(著者名(姓のみ)(半角スペース)西暦発行年:引用ページ)を示す(:は全角)。同じ年に発行された同じ著者の文献が複数ある場合には、「1988a」「1988b」のように発行年の後にアルファベットを付けて区別する。新聞記事の場合は(『新聞名』日付,朝刊/夕刊)と示す。下記の例を参照されたい。
[例]
(青井 1974:81)
(Elder 1974=1986:14-15)
(『日中社会学新聞』1998.11.3,朝刊)
なお、ウェブサイト上の記事を参照した場合は、注として示す。注において、作成者名(分かる場合),「文章名」サイト名,URL,参照日を示す。
[例]
内閣府,「令和2年度 特定非営利活動法人に関する実態調査」内閣府 NPO ホームページ,
https://www.npo-homepage.go.jp/toukei/npojittai-chousa/2020npojittai-chousa,
2022 年 7 月 22 日参照。
10.引用文献リストは、下記のように掲載する。
(1)論文末の注の後に、著者姓のアルファベット順に掲載する。
(2)日本語文献と中国語文献、欧米語文献の順で、区別して掲載する。英数字は半角文字、それ以外の文字と記号(括弧やカンマ、コロン、ピリオド)はすべて全角で入力する。
(3)掲載内容は、①著者名(外国人の場合も姓を最初に)、②刊行西暦年、③書名または論文名(日本語の場合:単行本は『 』、論文は「 」;中国語の場合:単行本は《 》、論文は〈 〉;欧米語の場合:単行本はイタリック体、論文は“ ”)、④出版社または掲載雑誌名(日本語雑誌の場合は『 』、中国語雑誌の場合は《 》、欧米語雑誌の場合はイタリック体)、雑誌の場合は編集機関と巻(号)、⑤掲載頁(論文の場合)の順に掲載する。また、同一の著者の同一年度に発行の複数の著書または論文がある場合には、発行年度の次に a, b, c, ・・・・ を付する。
(4)ウェブサイト上に掲載された文献については、リストでは通常の引用文献と同様の文献情報を掲載する。さらに、URL と参照日(アクセス日)を掲載する。
(5)2 行以上にわたる場合は、「ぶら下げ 4 文字」を設定し記載すること。

【日本語文献】
青井和夫,1996,「都市住民の生活誌」,青井和夫編『中国の産業化と地域生活』東京
大学出版会,313-339.
福武直,1946,『中国農村社会の構造』大雅堂.
経済企画庁編,1990,『国民生活白書(平成2年版)』,大蔵省印刷局.
森岡清美,1988,「女性ライフコースの世代間および世代間葛藤」,『社会学評論』日本社会学会 155:230-239.
日中社会学会,1996,「『日中社会学研究』投稿規程」,日中社会学会ホームページ,2012 年7月9日取得,http://www.japan-china-sociology.org/?p=97.

【中国語文献】
李銀河,1996,〈中国女性的性観念〉,《社会学研究》中国社会科学院社会学研究所社会学研究編輯部編 62:36-39.
陸学芸,張厚義,1992,〈轉形社会中的農民分化〉,陸学芸主編《改革中的農村与農民》中共中央党学校出版社,15-39.
余英時,1987,《士与中国文化》上海人民出版社.

【欧米語文献】
Balazs, E.,1968,
La Bureaucratie céleste, ditions Gallimard.(=1971,村松祐次訳
『中国文明と官僚制』みすず書房).
Lee, Y.F., 1989, “Small Towns and China’s Urbanization Level”,
The China Quarterly, 120: 771-786.
Parish, W.L. and Whyte, M.K., 1978,
Village and Family in Contemporary, China, University of Chicago Press.
White, T., 1990, “Political Reform and Rural Government”, in Davis and Vogel E.F.eds., Chinese Society on the Eve of Tiananmen, Harvard University Press,37-60.
11.図、表、写真等は本文に挿入し、次のように作成する。
(1)図・表の文字の大きさは、そのまま B5 判に縮小しても明晰なものとする。
(2)図・表の番号は、図-1、表-1のように示し、図と表のそれぞれについて通し番号をつけ、表にはタイトルを上中央に、図にはタイトルを下中央につける。なお、図表番号とタイトルは太字とする。
(3)図、表、写真等を他の著作物から引用する場合は、出典を必ず明記し、必要に応じて原著者または著作権保持者から使用許可を得ること。
(4)図、表、写真等の色はモノクロとする。
12.原稿の最後に、執筆者ローマ字名(姓を最初に)と所属機関とを記述する。
[例]
(NICCHUU Taro/日中社会学大学)
【その他】
1.投稿希望者は、編集委員会からの投稿募集案内を受けてエントリーし、所定の要求に従って期日までに原稿を編集委員会宛に E-mail の添付ファイルとして送付する。ファイル形式は、MS-Word とする。
2.投稿原稿は複数の査読員の審査結果により、編集委員会が掲載の可否を決定する。編集委員会と投稿者の連絡方法は、編集委員会の指示に従うこと。また、掲載が決定された原稿の著者校正も、編集委員会の指示に従う。
3.本誌に掲載された著作物の著作権(「複製権」「公衆通信権」「翻訳権」「二次的著作物の利用権」などすべてのものを含む)は日中社会学会に帰属する。
4.本誌に掲載された個々の著作物について、著作権侵害等の紛争が生じた場合は、当該著作物の投稿者の責任において処理する。
【付記】
1.本規程の改定は、理事会の承認を得なければならない。
2.本規程は、1996 年 10 月 26 日より実施する。
3.本規程は、2007 年6月に改定された。
4.本規程は、2008 年6月に改定された。
5.本規程は、2012 年 10 月に改定された。
6.本規程は、2018 年 6 月に改定された。
7.本規程は、2020 年 12 月に改定された。
8.本規程は、2022 年 12 月に改定された。

日中社会学会2022年度冬季研究集会のご案内

日中社会学会2022年度冬季研究集会のご案内
特別企画 日中交流の展望を問う①
「日中交流の過去と現在―グローカルな視点から問い直す」

                      研究・大会委員会
委員長 佐藤千歳(北海商科大学) 

日中社会学会会員の皆様

灯火親しむ候、皆様におかれましては益々ご活躍のことと拝察いたします。
本学会では、日中国交正常化50年および学会誌「日中社会学研究」刊行30年の節目となる本年度から、「日中交流の展望を問う」とのテーマで特別企画を展開します。その第1回として、2022年度冬季研究集会「日中交流の過去と現在―グローカルな視点から問い直す」を下記の通り開催します。ハイブリッド形式による研究会のため、久しぶりの対面開催となります。奮ってご参加くださいますようお願い申し上げます。

日時 2022年12月10日(土)午前10時―午後5時(予定)
共催 成城大学グローカル研究センター
実施形態 ハイブリッド型(対面+ZOOM ミーティング)
対面会場 成城大学2号館大会議室(東京都世田谷区成城6-1-20)
※2号館大会議室は、大学正門を入り正面にある4階建校舎の1階正面奥の部屋です。
オンライン ZOOMミーティングのURLは別途、会員メーリングリストにてお知らせいたします。

※研究集会に参加をご希望の方は、12月5日(月)までに下記のURLから申し込みをお願いいたします。対面会場とオンライン会議の円滑な設定のため、ご協力をお願いします;

https://docs.google.com/forms/d/1qQA1pH-MifqIQUcqwYVboK4TjydLhhXJ1B3-74qY6cc/edit

会長挨拶

この度、図らずも日中社会学会の会長に選出され、総会にて承認いただきました西原和久です。会長就任の話が来たとき、私自身の研究のことや年齢のこともあり、引き受けするかどうか迷いましたが、これまで日中社会学会および中国の社会学研究者には大変お世話になりましたので、ご恩返しのつもりで引き受けることにいたしました。

私は、年上のきょうだいがみな旧満州生まれではありますが、中国社会の研究者ではありません。ただ、これまで中国からの若い研修生・技能実習生の研究に取り組んだ経験があり、また、南京大学や北京外国語大学などで客員教授として社会学を教えた経験もあり、さらにかつての中国人留学生で現在中国において教壇に立っている教え子たちも複数おります。

また、学術交流の面では、21世紀に入ってからは「東アジア社会学研究者ネットワーク」のメンバー、およびそれを土台とした「東アジア社会学会」の理事として、また日本社会学会の国際交流委員長や国際社会学会の横浜大会の組織メンバーとして日中学術交流にも注力し、さらに中国社会科学院、吉林大学、復旦大学、上海大学、浙江大学、香港大学などでも中国の研究者たちと親しく交流する機会を持ってきました。そうした関係で、当時の中国社会学会会長・李培林教授の邦訳の監修者となったり、中国での講演を含む私の論稿も複数が中国語に翻訳されて刊行されていたりします。昨今の日中関係のなかで、「学術交流」を中心に、私の言葉では(国際交流ならぬ)人と人との「人際(にんさい)」交流をより活性化させる仕事ならば、私がやれること・やらなければならないことだと考え、会長を引き受けることとしました。

そこで会長としての所信の第1を述べるにあたり、あらためて日中社会学会の会則をチェックしますと、会則の第1条2には、「本会は、日中両国の社会学会の交流を図り、両国の社会学の発展に寄与することを目的とする」とあります。まさに、私がやりたいことは、この目的に的確に表現されております。現在、私は平和社会学研究会を立ち上げ、平和社会学の構築に向けて活動をしております。日中のみならず、トランスナショナルな人際交流は、「平和」であることが大前提です。そうした視点からこのホームページにある歴代の会長の挨拶を振り返ってみると、かつての首藤明和会長の挨拶に、先達の志は「学術交流を通じた日本と中国の相互理解の深化であり、ひいては世界平和の構築に向けて努力を惜しまない姿」であったといった一節や、「日中社会学会とは、日中相互理解と世界平和実現のために、先達が遺された貴重なプラットホームである」といった一節が記されております。私は、そうした先達の言葉を大切にし、会長としての私の職務とする所存です。それが私の所信表明の第1です。

そこで、第2の所信表明ですが、首藤元会長のいう「先達」の1人は、故中村則広元会長が想定されていると思われます。私は、中村元会長とは中国や日本でしばしばお酒も共にする関係でありましたが、記憶に残っている重要なことは、筑波大学の大塚キャンパスで理事会があった際に、いわゆる第2学会誌の発刊に関与したことです。種々議論があった中で、私が、では『21世紀東アジア社会学』という学会誌名にしてはどうかと提案し、中村元会長もすぐに同意されてこの学会誌名が決定され、紆余曲折はありながらも現在は12号まで来ています。この第2学会誌も、陳立行先生、首藤先生、そして南裕子先生などの私が直接知りえている会長経験者の大変な尽力で、東アジアのリージョンだけでなく、グローバルな視野を持った学会誌に育ってきています。私自身は日中での講演や論稿で「東アジア共同体」論をしばしば語っていますが、この議論はいわば「平和な世界社会」実現への一つの道です。だからこそ、今後とも日中社会学会会員の研究の発展をより一層図るべく、今年度に第30号となる『日中社会学研究』とともに、この『21世紀東アジア社会学』も大切にしていきたいと考えています。これが、私の第2の所信表明です。

少し長くなりましたが、最後に3点目として重要なもう1点だけ記させていただきたいと思います。日中社会学会は、中国社会の研究や日本社会の研究を基礎とするものであることは間違いありませんが、私としてはそれと同等の重みをもつものとして、トランスナショナルな「日中交流」全体の過去・現在・未来に関する研究も重視したいと考えております。日中関係が政治経済的にも問題含みとなっている現在だからこそ、日常生活を営む人びとの生活世界のレベルで積上げられてきた「日中交流」の歴史的現在をしっかりと捉え直し、未来に向けた新たな日中人際交流の歴史の創造に関わりたいと考えております。そのためには、特に日中の若い世代に期待するところが大です。若手を含む研究会・研究集会を活性化し、定期的な研究集会と年1回の研究大会を連動させ、日中間での「人際交流」の捉え直しも進めていきたいと考えております。これが第3の所信表明です。

いまや、中国からの留学生や働き手さらには中国人国際結婚移住者などの研究の他にも、日本における中国人集住地やいわゆる中華街の研究など、日本国内の生活世界レベルでのトランスナショナルな日中交流の研究テーマには事欠きません。それだけ、日中交流は生活世界レベルで深まっているのです。そこに焦点を合わせる研究は、交流がさらに活性化されるであろうポスト・コロナ時代に向けて、とても重要なものだと考えております。

微力ながら会長として、日中社会学会における――以上を要約すれば――③若い世代を巻き込んだ会員の日中交流研究を含めた研究の活性化と、②日中を中心としつつも東アジアや世界を志向する研究、そして➀それらの研究を通した日中の相互理解や、ひいては世界平和に貢献する方向性を重要視していきたいと考えています。この点を再確認して、長くなりましたが私の挨拶とさせていただきます。力を合わせて、一緒に日中・中日の社会学研究を推し進めていきましょう。

住友生命 第16回「未来を強くする子育てプロジェクト」募集開始のご案内

住友生命「未来を強くする子育てプロジェクト」事務局より送られてきました案内を転載します。

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第16回「未来を強くする子育てプロジェクト」募集開始のご案内

 

平素は弊社社業に関し格別のご高配を賜り誠に有難く厚く御礼申し上げます。

 

2007年にスタートした本プロジェクトは、「子育て支援活動の表彰」「女性研究者への支援」の2つの公募事業を柱として、すこやかな子育てと夢のある未来づくりを応援しています。今年度も2部門の募集を7月11日(月)~9月9日(金)まで実施いたします。

 

「女性研究者への支援」

育児のため研究の継続が困難となっている女性研究者および、育児を行いながら研究を続けている女性研究者が、研究環境や生活環境を維持・継続するため、年間100万円(上限)を2年間まで助成金として支給します。人文・社会科学分野における萌芽的な研究の発展に期待する助成です。

 

突然のご案内で大変恐縮ではございますが、主旨等ご賢察の上、リンクの掲載・募集告知へのご協力を賜りますようどうぞよろしくお願いいたします。

※PDF版公募チラシをお送りすることもできますので、ご希望の際はお問合せください。

 

◆第16回「未来を強くする子育てプロジェクト」◆

主催:住友生命保険相互会社 後援:文部科学省、厚生労働省

 

■「女性研究者への支援」表彰・支援内容

・スミセイ女性研究者奨励賞 10名程度 /年間100万円(上限)を2年間まで支給

(助成期間は2023年4月から2025年3月までの2年間を予定)

 

■募集期間 2022年7月11日(月)~ 9月9日(金)必着

 

■応募方法

募集要項のページから、応募用紙をダウンロードし、基本情報等をご記入の上、必要資料(最近の論文など、1、2点 )と一緒にお送りください。

【女性研究者への支援・募集要項】

https://www.sumitomolife.co.jp/about/csr/community/mirai_child/women/bosyu.html

 

■応募資料の送付先・お問合わせ先

「未来を強くする子育てプロジェクト」事務局

〒102-0072 東京都千代田区飯田橋2-14-7 光ビル

電話 03-3265-2283(平日10:00~17:30)

 

■本プロジェクトの詳細

「未来を強くする子育てプロジェクト」webサイトをご覧ください。

http://www.sumitomolife.co.jp/about/csr/community/mirai_child/

 

女性研究者への支援【募集要項 詳細】

 

◆趣 旨

育児のため研究の継続が困難となっている女性研究者および、育児を行いながら研究を続けている女性研究者が、研究環境や生活環境を維持・継続するための助成金を支給します。人文・社会科学分野における萌芽的な研究の発展に期待する助成です。

 

◆要 件

①人文・社会科学分野の領域で、有意義な研究テーマを持っていること。

②原則、応募時点で未就学児(小学校就学前の幼児)の育児を行っていること。

③原則、修士課程資格取得者または、博士課程在籍・資格取得者であること。

④2名の推薦者がいること(うち1名は、従事した、または従事する大学・研究所等の指導教官または所属長であることが必須)。

⑤現在、大学・研究所等に在籍しているか、その意向があること。

⑥支援を受ける年度に、他の顕彰制度・助成制度で個人を対象とした研究助成を受けていないこと(科研費・育児休業給付などは受給していても応募可)。

⑦受賞時に、氏名(本名)やご家族との写真、研究内容等を、新聞・雑誌、インターネット等で公表することにご協力いただける方。また、マスコミなどからの取材にご協力いただける方。

※この事業では、過去の実績ではなく、子育てを�しながら研究者として成長していく方を支援したいと考えています。そのため、研究内容のみで判断することはありません。国籍は問いませんが、応募資料等への記載は日本語に限ります。

 

◆応募方法

募集要項のページから、応募用紙をダウンロードし、基本情報等をご記入の上、必要資料と一緒にお送りください。【女性研究者への支援・募集要項】

https://www.sumitomolife.co.jp/about/csr/community/mirai_child/women/bosyu.html

 

応募用紙の記入事項

①主な研究テーマ ②今回応募の研究のタイトル ③研究の目的と概要(400字程度)④研究する上で困っていること ⑤研究計画書と助成金の主な使途(1年目・2年目) ⑥研究者としての将来のビジョン ⑦略歴 ⑧成果・実績 ⑨助成取得の状況(過去・現在の奨学金、助成金の取得状況) ⑩推薦書(2名)

 

【必要資料】

・最近の論文など、1、2点

※資料の点数は審査の対象になりません。資料類は、角2版封筒(A4版が入る大きさ)に入る程度の量とします。

 

◆表彰・支援内容

◇スミセイ女性研究者奨励賞 10名程度 /年間100万円(上限)を2年間まで支給

(助成期間は2023年4月から2025年3月までの2年間を予定)

 

◆発表

2023年3月に表彰式を実施予定(webサイトでも発表)

 

◆選考委員

選考委員長

汐見 稔幸氏(東京大学名誉教授、白梅学園大学名誉学長)

選考委員

大日向雅美氏(恵泉女学園大学学長)

奥山千鶴子氏(認定NPO法�人びーのびーの理事長)

米田佐知子氏(子どもの未来サポートオフィス代表)

以上五十音順

香山 真 (住友生命保険相互会社 執行役常務)

 

◆個人情報の取扱い

応募者の個人情報は、審査および運営に必要な範囲内で利用し、第三者へ提供することは一切ありません。また、応募者の同意なく、利用目的の範囲を越えて利用することはありません。